美容師って普段からいろんなタイプの人と触れ合う仕事です。
「だれとでもコミュニケーションとれてすごいですね」
とか言われますが、技術を抜きで考えると《ある程度のコミュ力》があればだれでもできます。
《ある程度のコミュ力》とはわりと自由気ままに会話のキャッチボールと身振り手振りをつけたコミュニケーションです。
なんなら多少美容師側にコミュ力がなくても、相手がうまく会話の誘導をしてくれます。
わりと面白いのは、そのことを美容師側が気づいてなくてコミュニケーションが上手いと過信しちゃってる美容師がいること。
「相づち・表情・間」
会話が途切れないことよりも、お互いの呼吸を合わせるような流れが大切です。話題がなくてもこれらがうまくできていれば十分なコミュニケーションはとれます。
ただ、美容室ってのは10分程度のコミュニケーションがとれればいいってもんじゃなくて、最低1時間は近くにいるので会話だけできればいいってわけではないです。
いろいろと思い思いのやり方で、同じ空間にいる時間を過ごすようにしています。
もちろん『やりやすいお客様』もいれば『やりにくいお客様』もいるわけで、前者はなんなく時間を過ごせますが、後者は言ってしまえばストレスを感じます。
だって人間だもの。
美容師がイヤだなと感じるタイプ10選
イヤだなというか、やりにくさ・面倒くささもあります。
これらのことからストレスに繋がるのですが、そう感じてしまうタイプを書き出してみます。
- やりたいスタイルが決まらない人
- 注文が細かすぎる人
- 切ったあとでスタイルを変えたがる人
- どこかで得た知識が絶対な人
- 周りへの配慮がない人
- 予約をムリヤリ入れたがる人
- お客様は神様って思ってる人
- 話が長い人
- オレオレな話をする人
- 踏み込みすぎな人
▲①〜⑥は美容師ならわかると思います。⑦〜⑩は個人的に感じるものです。
1、やりたいスタイルが決まらない人
カウンセリングがものすごく曖昧なパターンですね。
やりたいことはあるけど、なんて伝えていいかわからないって人もいるので美容師側のヒアリング力も試されている気がします。
しっかりとお客様の意思意見を聞いて、それに対して似合わせるためのアドバイスをしていけたらと思っています。
カウンセリングの最後にお互いニッコリと「コレでいきましょう」ってなると気持ちよく施術が始められます。
2、注文が細かすぎる人
骨格や毛流れとかあるから意図的に長さをずらしたりして切る場合もあるのですが「左右を揃えてください」と言われます。
期待されているからこそ細かい注文は出てくるのであると考えていますが、まれに物理的にムリだろっていう内容のことを言われるときもあるので顔が引きつります。
3、切ったあとでスタイルを変えたがる人
「1回切ってみてから考えていいですか?」
これよく言われます。良く考えよう、1回切る時間と技術と料金が一人あたりに設けられた設定だ。
2回目切ることはイメージできなかった範囲なら構わず切るけど、ぜんぜん違うスタイルを言われるときもあるんだ。なんなら昔3回切ったこともある。カウンセリングがちゃんとできてなかったかもしれないが、そのときはあきらかに言ってることが最初と違うから仕上げて帰した。
1週間くらい過ごしてみて「もうちょっと」って思ったら切り直しするから、そういった方向でも考えてみてくれ。
4、どこかで得た知識が絶対な人
たまにいる《プロ顔負けの知識王》
いや、いいんだ、いろいろ知っていることは。
ただし『プロの言うこと』にもっと耳を傾けてほしいのだ。
ネットや本で得た知識をフルに使って話してくれるのはいいんだが、あなたの髪の毛を目の前で診断してくれるのはネットや本じゃない『プロの美容師』だ。
熱があるのに鼻水用の市販薬?
胃が痛いのに頭痛薬?
そんなレベルの間違いをしてることもある。
美容師は髪の医者、もとい、髪の美容整形外科であることを忘れないでくれ。
5、周りへの配慮がない人
お店の中で他の人が聞く気なくても聞こえるくらいの大声で話す人や子供が騒いでも気にもとめない人。
周囲の人はニコニコしながら心の中で大丈夫かよって思ってます。
『私設』じゃねぇんだ、『施設』なんだ。しかも不特定多数の人が来る『公共の場』なんだ。
自分の家のように振る舞われても、美容師はなにも言えないのよ。もし言うとしたらは来店を控えてくださいってレベルじゃないかなとも思ってる。
だから言わせないでくれ、自分で気づいてくれ。
6、予約をムリヤリ入れたがる人
前にも似たようなブログを書いたことがあるんだけど、なんとかねじ込もうとする人がたまにいます。
「今日しか時間がとれなくて」
「その時間しかなくて」
いやいや、他の人もそうなんですよ。だから早めに連絡が来て、いちばん動きやすい時間に予約を入れてくれるんです。
どうしてもっていい方をされると、他の予約の人を時短して、この人はちょっとまっても大丈夫かな、手の空き時間にフォローすればなんとかなるかなって予約をムリヤリ入れることになります。
先に予約した人に申し訳ないと思いながらもやっちゃいます。
これを見たからと言ってどうしてもって予約しないでくださいね。
7、お客様は神様って思ってる人
自分のことを神様か何かと勘違いされている人が数年に一度現れます。
この件に対しては申し訳ないが「バカじゃねぇの?」が持論です。
あなたが神なら他の人も神です。他の多数の神様に迷惑がかかるので疫病神はご遠慮願います。
8、話が長い人
小中学校の校長によくあるやつ。
ムダに話が長く、要点がないのは時間がもったいないです。
楽しくて離れたくないと思うこともありますが、話が途切れなくて抜けられないのは美容師としてはけっこう面倒を感じるところでもあります。
手を洗いたかったり、他のお客様も担当しているときはなおさらです。
どうしても短時間で話をまとめられない人は下の本を参考に。
9、オレオレな話をする人
女性はほとんど見たことないのですが、男性で自分すごいみたいな話をしている人はいます。
「ふ〜ん」で流せればなんてことないのですが、そういった人ほど実のない自分話が多く、オチもないので笑いにもなりません。
だいたいそういったときに鏡を見ると美容師は作り笑いです。
10、踏み込みすぎな人
美容師とお客様、親身に話すことはあっても他人です。
夫婦でも兄弟でも家族でも恋人でも親友でもないです。
仕事とプライベートはわけている方なので、プライベートスペースにぐいぐい立ち入ってくるのは苦手。
たまに一緒に飲みましょうってなるときもありますが、極稀なフィーリングの合うパターンでだいたいこちらから声をかけます。
八方美人をする気はないのでムリに距離感を近くされると引きます、ドン引きです。
ストレスは溜めたくないのです
普通の美容師はこんな記事を書かないでしょう。
書いたら「なんてこと書いてんだ」とか言われそうだけど、こういったことって隠す必要なんてあるのか?
言いたいことを言えない、こんな世の中じゃポイズンなのでストレスを感じるのであえて書きました。
というか、普通に考えてふつうのコトだと思ってます。
普通の人が普通に接してくれていればなんてことないのですが、上の①〜⑩の場合は大体の人が微量でもストレスを感じると思います。
他にもいろいろう〜んってなることはありますが、個人的にストレスを感じてしまうことを挙げるとしたらこんなですね。
ストレスを感じるたびに自分はまだまだなんだろうなって思いますが、こればっかりはしょうがないと思う。
だって人間だもの。
今、働いていて感じると言うよりは美容師をしていてずっと感じていることなので接客業である以上は変わらないものなんだとは思います。
いつか接客業が「お客様は神様だ」とか言わなくなる日がくるといいなと願います。